AI研修もやっているので、こう聞かれることがあります。
「AIでできるなら、頼まなくてもよくないですか?」
いい質問だと思います。正直に答えます。
AIは、70点をすごい速さで出す

ロゴも、文章も、チラシの案も、数十秒で出てきます。しかも下手ではありません。ちゃんと「それっぽい形」になっています。
ここは本当にすごいところです。ぼく自身、毎日使っています。使わない理由がありません。
そもそも、AIを思うように使うのも難しい

とはいえ、誰でもすぐに70点が出せるわけではありません。
エクセルやパワポと同じです。どちらも「使えば誰でもできる」道具ですが、実際に思いどおりに動かせる人は、そう多くありません。
AIも同じで、何をどう頼めばいいのか、出てきたものをどう直していくのか、そこに慣れが要ります。研修でいちばん多い相談も「使ってみたけど、思ったものが出てこない」です。
むずかしいのは、70点から先

70点のものは、ぱっと見は悪くありません。でも、どこかで見たことがある。誰のものでもない。そういう顔をしています。
残りの30点は、ぜんぶ細かい話です。この余白をあと2ミリ。この言葉を、社長が実際に使っている言い方に直す。この色を、工場の壁から持ってくる。
ひとつずつは小さい。でも、ここが決まると、急に「その会社のもの」になります。
そしてこの30点は、AIへの指示が上手いかどうかでは決まりません。その会社のことを、どれだけ知っているかで決まります。だからAIの性能の問題ではないと思っています。
もうひとつ。みんなが使うと、差がなくなる

AIが安くて速いということは、同業も同じように安くて速いということです。
全員が同じ道具で、同じくらいの70点を出す。そうなると、70点は「普通」になります。普通になったものでは差がつかないので、最後は値段の勝負になります。
ここ数年、実際にそうなってきている実感があります。
AIは使う。そのうえで、ここは削らない

案出しも、下書きも、調べものもAIに任せます。そのぶん空いた時間を、話を聞くことと、最後の30点に使います。
70点を100点や120点にするのは、いまのところ人の仕事です。
正確に言うと、あなたのことを知っている人の仕事です。
