2026年10月、GMOインターネットのサービス「お名前.com デスクトップクラウド」が、不正アクセスを受けました。
この記事では、何が起きたのか、GMO がどう対応したのかを順にまとめ、ネットに寄せられたいろんな声を、意見の種類ごとに整理します。良い・悪いの判断はせず、まとめるだけにしています。2026年10月29日時点の情報です。
この記事のまとめ
- FX の自動売買に使われていた「お名前.com デスクトップクラウド」に不正なプログラムが置かれ、保存されていたログイン情報で、利用者の口座で勝手な取引が行われました。
- GMO は身代金(約80億円)の要求を断り、損失の補償・見舞金・懸賞金100万ドル・政府への「能動的サイバー防御」の要請などを打ち出しました。
- ネットでは、懸賞金への賛否、GMO の守りへの批判、能動的サイバー防御への心配、FX の自動売買そのものへの疑問など、さまざまな声が出ています。
どんなサービス?

「お名前.com デスクトップクラウド」は、GMOインターネットが貸し出していた、インターネット上のパソコン(VPS)です。FX の自動売買ソフト(MT4・MT5 など)を、24時間止めずに動かすために使われていました。
自分のパソコンを一日中つけておかなくても、借りたパソコンの中でソフトが取引を続けてくれる、というしくみです。そのため、借りたパソコンの中に、FX の口座のログイン情報が保存されていることが多くありました。
何が起きた?(時系列)

- 10月19日利用者からの問い合わせを受け、GMO が調べ始めました。
- 10月20日一部の利用者のパソコンの中に、不正なプログラムが置かれているのが見つかりました。
- 10月21日すべてのプランを止め、最初のお知らせを出しました。同じ日、攻撃者とみられる者から、お金を求める脅しのメールが届きました。利用者の口座では、本人の知らない取引が行われ始めました。
- 10月22日GMO が警察に相談。金融庁は、業界団体を通じて FX の会社に注意を伝えました。
- 10月24日利用者の情報が外に持ち出されたことを確認したと発表。損失の補償と見舞金、政府への「能動的サイバー防御」の要請を発表しました。
- 10月25日GMOインターネットグループの代表が、ブログで謝罪しました。
- 10月26日攻撃者が「27日の正午に情報を公開し、利用者のパソコンを攻撃する」と予告。GMO は利用者に、パソコンの電源を切るよう呼びかけました。
- 10月27日正午すぎ、攻撃者とみられる者が、利用者とみられる人の情報を公開しました。GMO は、犯人の手がかりに総額100万ドルの懸賞金を出すと発表しました。
- 10月28日情報を公開していたサイトが、表示されなくなったことを GMO が確認しました。懸賞金の受付を始めると、6時間で113件の情報が寄せられたと報じられています。
報道では、取引が始まってわずか数秒で数百万円を失った、という利用者の例も伝えられています。
GMO の対応

- 身代金は払わない攻撃者は約80億円(代表のブログでは5,000万ドル)を求めましたが、GMO は「要求には応じない」としています。
- 損失の補償不正アクセスが原因の、本人の意思によらない取引で出た損失を補償します。
- 見舞金被害の有無にかかわらず、利用者全員に一律5,000円。情報が公開された人には、情報の種類ごとに1万円〜2万5,000円、1回の公開につき最大300万円の特別見舞金を払うとしています。
- サービスは今の形では再開しない守りのしくみを作り直し、続けて使いたい人には、別のしくみの代わりのサービスを6か月無料で用意するとしています。
- 懸賞金100万ドル犯人の特定につながる情報に、制度全体で最大100万ドル(約1億5,000万円)を払う「GMOサイバー犯罪撲滅・懸賞金」をつくりました。1人あたりの額ではありません。
- 能動的サイバー防御の要請攻撃を先回りして止める国のしくみを、この件に使うよう政府に求めました。
- 代表の謝罪代表はブログで、社内のホワイトハッカー(守る側の専門家)から事前に課題を指摘されていたのに、対応が十分ではなかったと認め、謝罪しました。
広がった影響

- 株価GMOインターネットグループの株価は、10月26日に前の週末から15%を超えて下がり、21日からの下がり幅は20%を超えたと報じられています。
- ほかの FX の会社いくつもの FX の会社が、利用者にパスワードの変更を呼びかけたり、一部の取引を止めたりしました。
- 影響の範囲影響を受けたおそれのあるサーバーは26,739件とされています。ただし、これは「可能性がある」数で、被害が確かめられた数ではありません。
ネットのいろんな声
ここでは、ニュースを共有するサービス「はてなブックマーク」で、この件の記事(ITmedia NEWS の2本、Yahoo!ニュースの1本)に寄せられたコメントを、意見の種類ごとに分けて、言い換えてまとめました。2026年10月29日に見えていたコメントがもとで、ネット全体の声を数えたものではありません。
懸賞金に賛成する声「身代金を払うより、犯人を追うことにお金を使うほうがいい」「仲間を売る人が出てくるかもしれない」「本気で追いかける、という姿勢を見せることに意味がある」。
懸賞金に疑問を持つ声「自分たちの記録(ログ)で分かるのでは」「社内の通報のしくみを整えるほうが先では」「かえって相手を刺激しないか」「犯人がつかまっても、失ったお金は戻らない」。
GMO の守りを批判する声いちばん多かった声です。「基本的な弱点だったのでは」「事前に指摘されていたのに」「これまでの評判もあって信用しにくい」。
能動的サイバー防御への心配「仕返しの応酬にならないか」「関係ないところまで巻きこまないか」「重要なインフラではない民間の会社に使えるのか」。一方で、「範囲をしぼれば意味がある」「海外との協力が大事」という声もありました。
FX の自動売買そのものへの疑問「借りたパソコンにログイン情報を置いて、ずっと取引させるしくみ自体があぶない」「自分で守る意識も必要では」。報じられた損失額をうたがう声も、少しありました。
補償や今後を気にする声「本当に補償されるのか」「パスワードを変えても、自動売買が動いたままでは意味がないのでは」「流れた情報で、また別の被害が出ないか」。
働く人や利用者を気づかう声「対応しているエンジニアが心配」「利用者がかわいそう」。
冗談やネタ懸賞金をアニメや映画にたとえるなど、軽い反応も多く見られました。
GMO が呼びかけていること

GMO は、利用者に次のことを呼びかけています。
- パスワードの変更と、ログインの切断FX など取引口座のパスワードを変え、ログインしたままの状態をすべて切る。
- ウイルスの検査とバックアップパソコン全体を検査し、大事なデータを保存しておく。
- 攻撃者に返事をしない届いたメールなどには応じない。
また、攻撃者が公開した情報を見つけても、広めたり、リンクを貼ったりしないよう呼びかけています。悪意をもって広めた人には、法的な対応をとることもあるとしています。
参考(2026年10月29日時点)
- GMOインターネットグループ「『お名前.com デスクトップクラウド』への不正アクセスに関する現在の対応について(第12報)」(2026年10月27日)
- piyolog「お名前.com デスクトップクラウドへの不正アクセスについてまとめてみた」
- ITmedia NEWS「『お名前.com』のFX自動売買VPS、不正アクセスで金銭被害か」(2026年10月23日)
- ITmedia NEWS「GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模」(2026年10月27日)
- Impress Watch「GMO、不正アクセス攻撃者情報に1.5億円の『懸賞金』 被害者には最大300万円」(2026年10月27日)
- 日本経済新聞「GMOインターネットグループ株価一時11%安 不正アクセスで見舞金、能動的サイバー防御要請」
- 共同通信「GMO株、終値15%超安 不正アクセス問題で売り」(Yahoo!ニュース)
- 「GMO、懸賞金100万ドルで募った『有力な情報』に6時間で113件…個人情報公開サイトは『停止』確認」(2026年10月28日・ライブドアニュース)
- はてなブックマーク:ITmedia NEWS「GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金」へのコメント
- はてなブックマーク:ITmedia NEWS「『お名前.com』のFX自動売買VPS、不正アクセスで金銭被害か」へのコメント
- はてなブックマーク:Yahoo!ニュース「不正アクセス受けたGMO、政府に『能動的サイバー防御』の適用を緊急要請」へのコメント
