実績の見せ方

「お客様の声」と実績ページは、なぜ問い合わせを生むか──発注者の「失敗したくない」に応える作り方

2026-06-12(更新 2026-06-13) / 与楽の楽屋

※2026年6月時点の情報です。

結論です。「お客様の声」と実績ページが問い合わせを生むのは、発注者の最大の関心事が「この会社に頼んで失敗しないか」だからです。サービスや料金のページは「何を、いくらで」に答えます。声と実績のページは「信じていいか」に答えます。発注の最後のひと押しを決めるのは、声と実績です。

発注者は、買う前に何をしていますか?

何かを発注する前の行動を思い出してみてください。たとえば外壁塗装を頼むとき、リフォーム会社の名前で検索して、ホームページを見て、施工事例を見て、できれば口コミも探す。多くの人がこれをやります。

これは「検証行動」と呼べるもので、金額が大きいほど、やり直しが利かないものほど、念入りになります。中小企業向けのサービスは、まさにこの条件に当てはまります。数十万円〜数百万円の発注で、失敗したら取引先や社内に説明がつかない。だから発注者は、会社案内の美しい言葉よりも「実際に頼んだ人がどうだったか」を探すのです。

私自身、千葉でホームページ制作をしていますが、お問い合わせをくださった方に話を聞くと、「事例を見て、うちと近い業種だったので」という理由がよく出てきます。サービス説明を熟読したという方は、実はあまり多くありません。

「お客様の声」と「実績」の役割はどう違いますか?

ひとくくりにされがちですが、この2つの役割は違います。

実績(事例)ページの役割は「自分ごと化」です。 発注者は事例の中から「自分と似た会社」を探します。同じ業種、同じ規模、同じ悩み。それが見つかった瞬間、「うちでも頼めそうだ」に変わります。逆に、大企業の事例ばかり並んでいると、小さな会社の経営者は「うちは相手にされないかも」と引き返してしまいます。

お客様の声の役割は「裏付け」です。 制作側がどれだけ「丁寧に対応します」と書いても、それは自己申告です。同じ内容でも、お客様の口から「最後まで丁寧に付き合ってくれた」と語られた瞬間に、第三者の証言になります。

実例をひとつ。千葉の電気工事会社さまのホームページを3ページ構成で制作したところ、公開後まもなく採用応募につながりました。応募した方は当然、会社のページを見てから応募しています。「どんな会社か」が伝わる材料がそこにあったかどうかが、行動を左右したわけです。声や実績は、新規顧客だけでなく、採用にも効きます。

お客様の声はどう載せれば効果が出ますか?──許可・具体性・写真

効果の出る載せ方には、いくつか作法があります。

1. 許可は、書面かメールで取る。 口頭の「いいですよ」だけで実名や社名を載せるのは避けてください。後々のトラブルのもとです。掲載範囲(社名・氏名・写真・コメント内容)を明示して、文面の最終確認をしてもらう。この一手間が、お客様との関係も守ります。許可が出ない場合は「千葉県の製造業A社さま」のような匿名表記でも十分機能します。

2. 具体性がすべて。 「とても良かったです」という声は、残念ながらほとんど信頼を生みません。読んだ人の記憶に残るのは具体的な描写です。「最初の打ち合わせで、自分でも言葉にできていなかった会社の強みを引き出してもらえた」「公開から2週間で問い合わせの電話があった」。何が、いつ、どう良かったのか。聞き取りの際に「具体的には?」と一歩踏み込むだけで、声の質は大きく変わります。

3. 写真があると、信頼は段違いになる。 顔写真つきの声と、テキストだけの声では、読み手の受け取り方がまったく違います。顔出しが難しければ、仕事場や店舗、商品の写真でも構いません。「実在する会社の、実在する人の言葉だ」と伝わることが目的です。

声がまだない創業期はどうすればいいですか?

「載せたいが、まだ実績がない」。創業期には誰もが通る悩みです。代替手段はあります。

大切なのは、ないものを盛らないことです。誇張した実績は、いつか信頼を壊します。今ある材料を、正直に、具体的に見せる。それが創業期の最善手です。

まとめ──声と実績は「育てるページ」

お客様の声と実績ページは、一度作って終わりではありません。仕事がひとつ完了するたびに、声をひとついただく。それを積み重ねたページは、広告費ゼロで働き続ける営業担当になります。

これからホームページを作る方は、声と実績の置き場所を最初から設計に入れておくことをおすすめします。後から増築するより、はじめから育つ前提で作るほうが、ずっと楽です。


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